ファミリーキャンパー物語 vol.2 『キャンプへ行こう』
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「パパとキャンプ行ってもいいよ。」
「えっ?」
マサは、マサヨの一言に耳を疑った。
どうしたんだ、マサヨ。熱でもあるのか?何か拾い食いでもしておかしくなってしまったのか?マサはマサヨの変化に戸惑った。
遡ること数日前・・・。
8月のお盆明けの平日に連休があるマサ。
マサヨは夏休み中。
マサコが休みが取れれば、家族でキャンプにいけるのではないかと一人考えていた。
出展:写真AC
ある日の夕食時、マサはマサコに打診してみる。
マサ「○日と○日、休めん?」
マサコ「お盆休み明けじゃけえ、難しいよ。」
マサ「そうよね・・・。じゃあ、マサヨ、パパと2人でキャンプ行くか?」
マサヨ「いやっ!」
マサ「早っ!そんな即答せんでも」(苦笑)
困ったもんだ。わが家でキャンプに熱をあげているのは自分だけか、と再認識するマサ。
何かマサヨをキャンプへと誘う格好のエサはないかと、マサは思案した。
マサ「キャンプ行って、景色とか描いて、写生大会しようか?」
マサヨは絵を描くことが大好きなので、これならどうだとばかりにマサは言った。
マサヨ「キャラクターを描いたりするのは出来るけど、景色はねぇ、描けんよ。」
マサ「絵は絵なんじゃけえ、描けるじゃろ?」
食い下がるマサ。
マサヨ「いや、無理よ。」
マサ「絵、上手なんじゃけえ出来るよ~。」
しつこく食い下がるマサ。
マサヨ「無理。」
そんなやりとりがあってから数日後の、冒頭の会話である。マサが戸惑うのも無理はない。
マサ「えっ?じゃあ二人で行く?」
喜びを抑えきれないマサ。
マサヨ「いいよ、デイじゃないんよね? 泊まるんじゃろ?」
マサ「そうよ。」
マサヨ「その日は○曜日でしょ、だったら公文に行かんでいいってことよね?」
マサ「・・・。えっ?」
マサヨ「泊まりなら公文行けれんもんね。」
マサ「まあ、そうじゃねえ、公文何時から?」
マサヨ「5時(17時)。」
そんな会話を聞いていたマサコが口を挟む。
マサコ「公文は、2時(14時)から行けるよ。」
マサヨ「え~、無理よ~。」
マサコ「公文は行ってからキャンプに行ってね。」
出展:写真AC
けっきょく、どっちなんだキャンプには行けるのか、行けないのか?マサは黙って2人の様子を伺う。
「公文に行くならキャンプは行かない」と、確定診断を下されるのが怖くて、マサはマサヨにファイナルアンサーを聞くことが出来ない。
なんとなく、曖昧なまま翌日の夕食時。
昨日のマサヨの『行ってもいいよ』を確信に変えるため、マサは軽く様子を伺う。
マサ「キャンプで何食べようかね?」
マサヨ「唐揚げがいいんじゃない?」
マサ「揚げ物?」
なかなか難易度の高いことを言うなあと思いつつも、これはキャンプに行く気だなと手応えを感じるマサ。
でも、公文も行かないとダメだと思うよ。ママは許してくれないよ。と、心の中で呟くマサ。
どうなんだ?行けるのか?公文行ってから行こうねの一言を言い出せないマサ。
さらに、翌日。
マサが意を決して、マサヨに言う。
マサ「マサヨ、キャンプは公文に早く行ってから行こうや。さあ、何食べようかねえ。」
さりげなく、食事の内容もボヤカシつつ、公文も促す。
残念だけど、パパ1人では揚げ物はハードル高すぎるんだよ。
マサヨは答える。
「公文行くならキャンプは行かない。」
マサ「・・・。」
「・・・・。」
「・・・・・ぇぇえええ!!!。」
父子キャンプは無理か?こうなったらソロキャンプか?
出展:写真AC
今回のキャンプは果たして行けるのだろうか?
※今回の物語はノンフィクションです。
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